故郷情報(附・ふるさとへの思い)


1.故郷への最短距離・あきた北空港開港!

 私の故郷は秋田県能代市である。
 秋田新幹線「こまち」が昨年3月から走っているとはいえ、「なんだ、秋田市までではないか。」という気持ちを捨てきれなかった。考えて欲しいが、秋田市のJR秋田駅から能代市の玄関であるJR東能代駅までは、更に特急で50分、普通列車で80分も掛かるのである。それも、新幹線との接続が順調にいっての話である。

 しかし、今度はこのあきた北空港ができると、ここから能代市までの所要時間はおそらく乗用車で30分から40分という程度ではなかろうかと思っている。
 大田区の我が家からは羽田にも近いから搭乗締め切り直前に羽田空港に駆けつけることを想定すると、およそ、3時間以内に能代市の自宅に到着することも可能であると思っている。
 そういう意味では誠にめでたく、7月18日だという開港を心待ちにしている。



(写真は鷹巣町ホームページ(旧版につきURL不明)からの借用ですm(_。_)m


 地方から出てきて都会生活を送るもの同士としては、それぞれの出身地というものにもっと深い理解を尽くさないといけないと皆が思っている反面、案外に他人の出身地の地理的な条件については、過去にそこに行ったことがあるとかいう余程の理由がない限り、我々は他郷の人の出身地の地理的条件には疎いものである。
 だから、能代市が秋田県のどこに位置しているかご存知ない人には、
「ああ、秋田にも新幹線が通るようになって帰省するときなどはよくなったでしょう(?)」
と言われることがままある。勿論、こう言ってくれる人は秋田が一般的に遠いところで、特にそこの出身である私が帰省するときに苦労していることを分かっている人である。そして心からの親切で言ってくれるのだということも分かってはいる。

 大体私はどういうことを話し掛けられる場面でも、普通の会話なら何を言われても一次的にはあんまり反論しないことにしている。けれども、この能代へのアクセスに関する話題に関しては猛然と反論してしまう。
 それは、一つには、こういう他愛のない件で猛反論したとしても、その人との人間関係にひびが入るようなことではないと達観しているからであるが、二つには、如何に過疎地帯が都会に(中央に)無視されているかということについての反発もあるからである。

 そう言う場での反論は、主に地理的条件というよりはアクセス条件の悪さについての説明が中心になる。  能代市は県北の日本海側にあって、秋田市からは60キロ離れている。能代から青森県寄りというと二方向あるが、ひとつは東能代駅を起点として青森県五所川原市と結ぶ五能線がある。ここは左に見える海岸線が綺麗であり、途中には世界遺産に指定された白神山地(ここをクリックするとプロバイダのタイトル写真であるが、壮大な景観がみえる。)を見て行ける路線なのであるが、何しろ過疎線である。アクセス条件は良くない。
   他方の方向は内陸部に向かい鷹巣町、大館市を経由して行く奥羽本線がある(ここのところも、すこしばかりここをクリックして全体のマップを見てもらえばよくわかると思う。)。東能代駅からJR大館駅まで特急でほぼ50分である。新潟市を起点とし青森市まで続く国道7号線は、JR羽越線、秋田からは奥羽本線と並行している。大館市は十和田湖観光の基地でもあり、また、小坂町に至れば東北高速道とも繋がる。

 つまり、能代市は距離的には秋田市と大館市の中間点に位置していることになる。こう言うと、能代市よりも大館市のほうが都会からのアクセス条件が悪いように見えるが案外そうでもない。前述したように大館市は東北高速道にほぼ直結しており、盛岡市に近いと言える。
 こういうアクセス条件にあるので、能代市は人口5,6万程度の市制施行の町としては、東北唯一の政令指定都市である仙台市からおそらくアクセス条件が一番悪い町だと思う。

 さて、一般的にはこういうことであるが、要は私が今まで帰省するには片道何時間かかっていたかと言うことが重要である。
 これを乗り継ぎが順調で無駄がないと言うことも含めて、最短ではどうかということで考えてみる。手元に時刻表はあるが、それでの点検はまた後にしていただくと、私は帰省のときは航空機かJRにしているので、この二つについて述べる。

 まず、JRであるが、これは大田区から東京駅まで50分、調整時間なしですぐ秋田新幹線・「こまち」に乗ったとすると4時間(最短は3時間55分)である。これを秋田駅で快速電車に乗り継ぎ1時間で東能代駅に到着する。都合、約6時間となろう。

 次に、航空機の場合であるが、大田区から羽田駅まで、バスで30分、タクシーで20分前後で到着する。これで搭乗手続きに要する時間を20分としよう。離陸から秋田空港に着陸するまでが正味は分であるが、いつも10分程度のロスがるから1時間と見る。
ところが、秋田空港から秋田駅までが遠い。ここのリムジンバスが50分、タクシーが40分掛かるが、先日姉の危篤のときにタクシーを使ったところ7000円も要した。だから、秋田空港からJR秋田駅まではバスで考えるしかない。そして、空港から来た場合、秋田駅で必ずJR列車に接続すると言う保証はない。ここが都会のJRや私鉄と根本的に違うところだ。したがってここでは30分程度調整時間を要する。
そして、秋田駅から東能代までの所要時間は先ほどの時間を使うとすれば1時間である。結局、航空機の場合でも 結局4時間半掛かることになる。実際は航空機の場合余裕をみて出かけるのは常識であろうから、都合5時間と見るのが正しいのかもしれない。



 このように、航空機、鉄道では5時間か6時間掛かるのであるが、これがあきた北空港の開港によりわずか3時間に短縮されるのである。私が喜ぶ所以である。

 ここまで縷縷書き綴ってきた。
 でもま、秋田市への時間も短縮されたものである。最初に能代市を出て上京したときは夜行列車を使うのが主流であった。寝台車などは寝たことがなかったから、いつも15時間くらい苦痛の連続であった。
 2度目の上京後は日中の特急列車もあったからかなり楽になったが、それでも8時間は掛かったと思う。それが今では僅か3時間の旅で往来が可能になるという。
 素晴らしいことだと思い、感謝する。

 考えてみれば、あきた北空港、これは正式な名称は「大館・能代空港」であるが、東京との定期便はまだまだ日に一便であるという。
 希望の時間に合わなければ何にもならないのであるが、でも、必要な我慢はしなくてはいけない。今まで故郷を最初に出てから40年になろうとしている。それくらい待ったのだ。これかも40年くらいは待てそうだ。

[1998.5.5記]