国連分担金滞納の怪

アメリカ・タイム・ワーナー副会長のテッド・ターナー氏が、財団を作って10億ドルを国連に寄付するという。
10億ドルと言えば大変な金額である(と言って自分では日本円で計算しないところがミソ(^_^) )。
ターナー氏は自分が保有する株式の値上がり益を地雷の撤去活動や環境問題の解決に使って貰いたい考えの様であるが、アメリカの多額の国連分担金が滞納のまま焦げついている国連としては勿論大歓迎である。

 ところがここで面白いのはアメリカと国連の出方である。
 国連は、「この寄付はアメリカの国連分担金滞納問題と結びつかないものである。」と声明した。
一方、オルブライト国務長官はターナー氏に電話して感謝のメッセージを伝え、アメリカの国連分担金滞納問題の解決に繋がる、と述べたという。


 大体、経済的には好況のアメリカがどうして国連分担金を滞納しているのか分からなかった。
一時は金がないのかと思ったこともある。
 ところがそうではなくて主として議会の上院が首をタテに振らないのだった。
理由は国連各機関が肥大化しているのに、国連が改革の意欲を示さないとか、あるいは改革が十分ではないとかいうことであった。
 しかし、一つの連合体を構成する国がそういう理由で分担金を滞納しても、国連は何も対抗手段を取れないというのは奇妙なものだ。
これが何か我々レベルの参加する会で、規約もきちんとしているなら資格停止か場合によっては除名だろうし、税金の滞納なら滞納処分を受けるに違いない。  アメリカの場合はそうした制約を何ら受けることなく、拒否権も自由に使えるし、第一国連事務総長人事にも露骨に介入していた。
 こういうことが罷り通るのかと思うと、国際政治は力のあるものが勝つ無法社会だと思う。

 権利を主張するものはまず義務を果たすべしという、どこかで覚えたことが空虚に聞こえる。[1997.9.23]