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昼の散歩・ランチタイム・アトラクション 14
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今日は、産経新聞社前から常盤橋方向を目指して歩き始める。
地下鉄の入口そばの交差点で信号の代わるのを待って立ち止まると、逓信総合
博物館のある前の広い場所で何やら歌声がする。人だかりで定かではないが、鮮
やかな黄色の地に綺麗な縁どりをした、アニメに出てくるアルプスの少女ハイジ
が着るような民族衣装の女性がヨーデルを歌っているようだ。
信号が代わったので近づいてゆくと、屋外に小さな舞台ができていて、「ラン
チタイム・アトラクション」と掲げた看板があった。どうやらNTTによるテレ
ホンカード・キャンペーンらしい。
舞台というには少し低すぎて、そう表現していいかどうか分からないようなス
テージ面の前に、椅子が10個程度宛3列位に並べられている。しかし不思議で
も何でもないかもしれないが、この椅子には後ろの方に3人ぐらいしか座ってお
らず、その反面20人から30人くらいのOLやビジネスマンが回りを取り巻い
ている。
ヨーデルを歌っている女性が、歌を一曲歌い終わって何やら話し始めたが、残
念ながらスピーカー音が良くなくて内容は余り分からない。3人ぐらいの演奏者
が脇に立っていてすぐ次の歌を歌い始めたから、曲の説明だったのだろう。
ちょっとどんな曲を歌うのか聞きたい気もしたが、これだけの人の背後で聞く
のも癪だし、かといって椅子に座るほど外気が温かいわけでもない。先週の27
日から急に風が冷たくなって、太陽は光こそ降り注いでくれるものの、温度は控
えめにしているようである。残念ながら失礼して本来の目的である高速歩行を続
行することにした、いや、もっともまだ今日は始めたばかりで、50歩も歩いて
いなかった。
しかし、NTTといい、JRといいなかなか創意工夫のあるキャンペーンを行
うものだ。JRも東京駅丸の内北口のホール(というよりコンコース?)で時折
コンサートを行っている。郵政省の年賀葉書の早期差し出しキャンペーンも華や
かである。こんな風に皆が(というのは企画担当者がということだが)、公共性
ということをはき違えずに、懸命にPRしようという一種の企業意識をもつこと
は好ましいことだと思う。
もっとも、私の少ない経験から言えば公共的な企業・組織にあってキャンペー
ン活動に熱心なのは、今のところ広報担当課等を中心とした一部の人達と、これ
に振り付けられて出演などをする幹部に限られるような気がする。「気がする」
だけで実証的な裏付けはないので無責任に過ぎるかもしれないが、よく聞く話で
は、キャンペ−ンの実施した内容をその企業・組織における広報紙誌で特集して
配付してから、初めて全体に周知されるということである。
そうだとしても、お上意識がなくなりつつあるような風潮は結構なことではな
いかと思う。
平成4年11月30日のこと

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