平成9年の1年間に詠んだ句をご紹介いたします。
いずれもメロウ句会や私の職場にある句会に出句して、そこでの選句で
1点以上の投票で選ばれた句を掲げています。

[新年]
- 元旦はただ芒として過ごしけり
- メールにも賀状に似たる趣が
[春]
- 白梅の眼を奪う朝駅ホーム
- 湯の宿の石段踏みて春の寺
- 匂うかと今日も顔寄す沈丁花
- ビル街のストック愛でて佇めり
- 陽をうけてタンポポの黄の微笑めり
- 陽をうけしタンポポの黄や川辺往く
[夏]
- 雨垂れの音聞きながら柏餅
- 夏の宮手合わすうなじなお白し
- 水澄みし川ゆったりと薔薇が逝く
- くちなしの花に佇む医院前
- 首筋を柔らかく過ぐ団扇風
- カラカラと氷鳴りたる麦茶かな
- 紫陽花の咲く場所と知る回り道
- 越後路は田植えの女一人きり
- 日暮れ道連れ帰りたきあざみかな
- 緑陰の濃きところをば見つけたり
- 空蝉や汝が主どのか今鳴くは
- 覚えある香水嗅ぎて振り返り
- 大西日黄金に染まる梢かな
[秋]
- 盆踊り帰る素足の白さかな
- 小守柿彼方に一つ古塔見え
- コンコース落ちつきはらう菊人形
- 錦繍の落ち葉手に乗す出湯かな
[冬]
- 山茶花にそっと手を添え眺めいる
- 降り仰ぐ枯木の上に重き雲
- 年惜しむ暇もなかりし医者通い
- 年の暮れ老婆杖つく並木道
- 関所跡昔を語る雪間草
- 白銀の冬山染まる夕べかな